終末医療で寄り添う看護師の存在は、患者とその家族にとって非常に重要なものとなります。現場では、命の最後の瞬間を見届けるだけでなく、患者と家族の心をしっかりとケアすることが求められます。ここでは、そんな終末医療に携わる看護師が大切にすべき心構えをまとめてみました。終末医療の現場において、患者やその家族が抱える感情は非常に複雑でデリケートです。その中で看護師は、一人ひとりの心の状態を想像し、それぞれの立場や感情に理解を示すことが求められます。回復が見込めず、最期の時を待つという状況はとてもつらいものであり、気持ちを整理できない患者、家族と対面することもあります。そうした場面では、冷静かつやさしく見守り、適切な声掛けと環境を提供することが大切です。同時に、看護師も人である以上、つらく重い感情に引っ張られることもあるでしょう。しかし、看護師自身の心に余裕がなければ、周囲を思いやる余裕も持てないものです。つらい心情のときは、プライベートでしっかりと自分の心に向き合い、セルフケアを徹底するようにしましょう。そして、終末医療を受ける患者は、残り少ない時間をできる限り有意義に過ごしたいと思うもの。家族とこまめに情報交換し、患者自身のニーズに応えることが重要になってきます。同様に患者とも積極的に対話し、要望を聞き出して、穏やかな最期を迎えられるようサポートすることが大切です。終末医療は、死に直面する仕事であり、精神的なタフさが求められる現場ですが、その中で周囲に与える影響、貢献度は計り知れないものです。人の深く、デリケートな部分に寄り添うケアであるため、人として学ぶことも多いでしょう。ケアを極めたい方にとっては、大変ながらも非常にやりがいを感じられる仕事になるはずです。